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居酒屋お夏 春夏秋冬5根深汁

 

岡本さとる

 

650円幻冬舎文庫202212

 

野菜は売るが料理はできない夫婦。大鳥神社に近い百姓家に住む円太郎とおしののことだ。近くの農家から野菜を買って夫婦で売り歩いている。時々、お夏の居酒屋に寄って二人で飯を食い一杯やって帰っていく。何事にも控えめで仲睦まじい。野菜を売ってはいるが料理が苦手と二人は口を揃える。清次は野菜が残ったら持ってくるようにと気を使う。清次が料理をこしらえる。おしのを板場に呼んで作り方を教えてやることになった。馴染み客が来ると二人は昔話を始めた。幼い頃から時から兄妹のように育った。千住の外れの貧乏長屋だった。互いに気遣いながら成長した。女中奉公に上がったおしのを金貸しの爺が妾として面倒をみようという話があった。それを聞いた円太郎はおしのと手に手をとって逃げたのだ。若い2人は千住から離れてその日暮らしを始めたがすぐに泊まるところにも困るようになった。そんな時に出会ったのが口入屋の和右衛門だった。世話をしている寮番が亡くなったので2人でその代わりを勤めてほしいという(2024.4.27)

 

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